日本で久々に開催された奈良美智の個展へ

 7年ぶりに小山登美夫ギャラリーにて開催された奈良美智の個展。奈良美智といえば現代アートの顔ともいえる存在。現在の20代から30代のアートにあまり興味がない人達でも藤田嗣治を知らなくても奈良美智を知っている人が多いのには驚き。

 さて、その奈良美智だがその知名度と活躍はめまぐるしいが、ここ数年日本で久しく個展をやっておらず、アートフェアーの時などに数点の作品を見ただけである。彼の場合その活躍は今や国際的なので海外のギャラリーや美術館での個展に精力的に活動していたみたいである。

 そういう意味でも久々に開催される奈良美智の個展。それも立体作品。現在では美術館でも買い上げられ展示されている奈良美智の作品だが、私が見た限りでは美術館やギャラリーでも立体の作品を見るのは初めて。(海外のアートフェアーでは奈良美智の立体の作品を展示販売していたらしい)ちなみに奈良美智は青森出身なので青森の美術館には彼の作品が充実している。

 しかし今回の個展で奈良美智の立体作品の話を聞いたとき、正直奈良美智の立体ってどうだろうかと思った。しかも、徐々に景気回復の声は聞くがまだまだ好景気とはいえず、印象派や近代絵画に比べるとまだまだ安価ともいえる現代絵画でも奈良美智クラスだと数百万から数千万はくだらない。

 そんな思いを胸に清澄にある小山登美夫ギャラリーまで足を運んでみた。ちなみにオープニングの日は6階、7階にあるギャラリーに行くまでに乗るエレベーターが人でいっぱいになり臨時でアルバイトの方をやとったほどだったという。筆者が行った時はオープニングから数日経っていたのでそんなには混んでいなかったがそれでもいつものギャラリーよりはかなり人が多い。

 まずはエレベーターを上がって6階ギャラリーから。6階はいくつかのギャラリーが集まっているが小山登美夫ギャラリーはその中央に位置する。まずは可愛いマトリーシュカの様な壺に眼を奪われる。想像していた立体よりはるかに良い! 表裏模様も違いメッセージ性のある文字も書いてある。大きさ的にも一般の家庭でも飾れそうな大きさなのも良い。ちなみにお値段は300万~450万円だそう。

 ふと横を見ると小さな花が飾られている花瓶がありそれも作品。6階の作品は普通にインテリアの一部として溶け込みそうな作品群。あとドローイングも数点と浮世絵風の版画も数点。こちらも多分新作。ちなみに版画のお値段は25万くらいから100万くらいまで。個人的には浮世絵風の作品がお薦め。

 そして、ワンフロアーそのまま贅沢に使った7階スペース。こちらは立体の作品数点。ちなみにお値段は6000万から6500万ということ。でもこのご時勢でも日本人や外国人コレクターがお買いになったそう。これからも奈良美智の活躍が楽しみ。

 展覧会風景はこちら。
http://www.tomiokoyamagallery.com/exhibitions/yoshitomo-nara-exhibition-2010
/#fragment-11

よかったらシェアしてね!
目次
閉じる