日産のゴーン氏の報酬8億9000万は高い？安い？

注目のゴーン氏は8億9000万円

　前金融担当大臣の亀井静香氏のツルの一声で始まった、1億円以上の役員報酬開示。金融庁は2010年3月期から、上場企業の有価証券報告書に年間１億円以上の高額報酬を受け取った役員の名前と報酬額の記載を義務づけた。財界からは反対意見が多数出て、また、株主からは質問が殺到する中での船出となったが、読者のみなさんの率直な感想はどうだろうか。

　正直な所は、こうではなかろうか。従来の日本企業の役員は3000万円くらいが相場で、社長や会長でも1億円には達していない。そうした暗黙知のような常識があっただろう。しかし、有価証券報告書に開示されたものや、株主総会で公表した数字を見ると、意外にも「1億円役員」は多いようだ。

　その中でもトップはやはり、日産自動車のカルロス・ゴーン社長だった。23日に横浜市内で行った株主総会で、2010年3月期の報酬総額は約8億9000万円だと発表した。その直前にはソニーのハワード・ストリンガー会長兼社長が約8億1650万円という数字を発表している。大方の予想どおり、この2人が1、2位となった。

　日本人投資家、経営者からすれば、ゴーン、ストリンガー両氏に違和感を覚える人は少なくないだろう。