【サッカーW杯】誰も責めやしない悲運の男・駒野

 サッカーW杯の決勝トーナメントで、日本代表は29日、パラグアイ代表を相手に善戦したものの、PK(5-3)で敗れ日本史上初のベスト8進出はならなかった。そのPKを外したDF駒野友一選手が、検索キーワードで1位になるなど国民の関心が高くなっている。ファンは悲運の男の4年後の捲土重来を期待していることだろう。

 日本はMF松井大輔選手の「ドライブシュート」、MF本田圭佑選手の「カミソリシュート」など惜しい場面や、GK川島永嗣選手の好セーブなどで応戦。延長戦でも勝負がつかずに
PK戦へ。3人目の駒野選手が蹴ったPKは、無情にもバーに弾かれた。日本代表の夢は断たれてしまった。

 30日未明のグーグルの検索ワード急上昇ランキング1位は「駒野」。ユーザーは苗字だけで検索している。「友一」という名前を知らなかったのか、あまりの悔しさに苗字しか打つ余裕がなかったのかは不明。とにかく、駒野という選手のことが気になって仕方がなかったということだろう。

 2003年8月、左膝前十字じん帯断裂し手術。その1週間後に、謎の腹痛に。エコノミークラス症候群と診断され緊急手術へ。一命を取り留めた。だが、駒野選手は自身の命よりも、リハビリが遅れたことの方を悔しがっていたのだという。だが、翌2004年には、アテネ五輪のケガが基で視野が失われていき一時は失明の危機に陥ったが、それも手術で乗り越えた。まさに不屈の男だ。

 試合後は無言でミックスゾーンを通り過ぎた駒野選手。悔しさと申し訳なさが入り混じっているのだろうか。日本代表でも屈指の運動量とクロスを誇るこのDFがいなければ1次リーグで敗退していた可能性もある。

 現在28歳。気持ちの整理がつけば本人は4年後のリベンジを考えるかもしれない。次期代表に選出される可能性は現段階ではわからないが、日本のファンは4年後の駒野選手の雄姿を期待していることだろう。泣くな!駒野。


松井(左)、阿部(右)両選手に抱えられる駒野友一選手

駒野友一選手のPK。ボールはバー直撃

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