中国国民の意識変化で「食」が有力投資先に

 毒入り餃子、食べた猫や犬が死亡したペットフード、発がん性物質が検出されたウナギ…。近年日本では、次々に“危険な中国産食品”のニュースが流れ、消費者の不安は高まった。一方、不安を感じていたのは日本の消費者だけではなかったようだ。ここ数年、中国国内でも「食」に対する人々の意識が変化しているという。

 例えば、有機野菜に対する関心が急速に高まり、通常の農産物の5倍という高値にもかかわらず、売り上げは伸びているというのだ。中国の有機農業の市場価値は現在約50億元(約700億円)だが、今後5年間のうちに、20%から30%の速さで成長することが予測されている。

 また、一般的に外食が多い中国で、レシピ検索サイト“美食傑”も人気。美食傑は2005年10月に設立され、数十万以上のレシピの他、健康飲食に関する知識や各地の郷土料理なども紹介されている。日本で言うところのクックパッドに近い存在か。

 実はこのサイト、カナダのベンチャーキャピタルが数百万ドルを投資することが明らかになるなど、有望な投資対象にもなっている。

 もともと中国には「民は食をもって天となす」ということわざがある。古来、食は人間が生存する上で、不可欠な要素で一番大切なものと考えられてきた。しかし近年、供給量の拡大ばかり求めた結果、「食」の安全が脅かされ大きな社会問題に。政府も検査、監督・管理システムを強化しているが、汚名返上できるのか消費者の意識変化が重要なカギを握る。

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