セレクトセールは不調も目利き馬主は虎視眈々

 日本最大の競走馬のセリ市「セレクトセール」が、北海道・苫小牧のノーザンホースパークで12日から始まったが、いまだ1億円以上の落札がないという状況に見舞われている。だが、実際の評価以上に価格が高騰せず、「走る」馬を安く買うチャンスでもあり、そうした「目利き馬主」が虎視眈々とダイヤの原石を狙っている。

 馬主にも色々で、とにかく高い馬が欲しいというタイプ。あまり競らないで安く買いたいタイプなど様々だ。ある馬主の関係者は「種馬としての価値を考えたとしても1億円以上の価格は高すぎる。上手な馬主は安く買っている」という。そういうタイプの馬主にとって、今の市況はうれしいに違いない。

 12日は1歳馬が対象だったが、不況の影響なのか低調で1億円以上の取引は1頭もなし。

 上手な馬主とは誰のことを指すかはともかく、名馬ディープインパクトのオーナーだった金子真人氏の資産管理会社金子真人ホールディングスがディープ産駒を3頭落札したという。その中には、1歳セールの最高値の6600万円となったアイルドフランスの2009(牡)もいた。

 金子氏はディープインパクト自体はこのセールで7000万円で落札した。サンデーサイレンスの晩年の最高傑作でしかも良血だったに関わらず、この価格は異例の安さだった。だが、同馬の生涯獲得賞金は約15億円だった。

 目利きにとって、今の競走馬市場は安いに違いない。

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