祇園祭から見える「本当の京都人気質」とは?

7月に入ると、京都の街では デパートや銀行、駅など、いたるところでお囃子の音色が流れ、浴衣人口が いっせいに増えます。

そして 17日には、クライマックスの山鉾巡行。

通りの信号機の向きが変えられると、いよいよスタートやなぁ~とわかります。



先頭の長刀鉾に乗るお稚児さんが 七五三縄を断ち切り、それを合図に 巡行が始まります。


巡行の見所は、鉾の上のお囃子衆や ダイナミックな辻回しなど、色々とありますが、私は 山鉾に飾り付けられた胴懸を 眺めるのが大好きです。

祇園祭は 日本の三大祭り、そして、古都・京都のお祭りですので、純日本的なものと思われるかもしれませんが、実は 大変に国際色豊かなものです。

本来、八坂神社を中心とする 神社のお祭りでありながら、山鉾には 僧侶や 古代中国の賢人の像が載せられていますし、胴懸は、日本を代表する日本画家の絵を原画としたものも もちろんありますが、旧約聖書の一場面を描いた500年前の綴れであったり、インドやペルシャのアンティークカーペットであったり、中国の段通であったりするのです。

これは、鶏鉾に懸けられた トロイの王子と妻の別れを織りだした16世紀のベルギーカーペット。



続く白楽天山には、トロイの陥落を描いた やはり16世紀のカーペットが掛けられていますが、山に載っているのは、唐の詩人・白楽天が道林禅師と問答をしている場面の像です。

こちらは、シルクロードを旅するラクダを描いた織物。



別の山には、キリンもいます。


そしてこれは、天を舞う天女。


古今東西の文化・宗教が、分け隔て無く満載されています。

なんと おおらかなお祭りでしょうか。

このおおらかさは、まさに Wee are all one の精神ですね。

京都人は「いけず」とか「よそものには冷たい」というのが定説ですが、じつは Wee are all one精神こそが、本当の 京都人気質なのかもしれませんね(^-^)。

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