「真夏の牛丼戦争」は吉野家の一人負け

 吉野家ホールディングスは7月の月次報告を発表し、既存店売上は前年同期比89.2%、客数93.6%、客単価95.2%となり、すべて前年実績を割り込んだ。ライバルの「すき家」「松屋」も同時期に値引きを実施しているために「真夏の牛丼戦争」の色合いが強かったが、吉野家が完全に客を喰われた格好となってしまった。

 吉野家の既存店売上高でみると、前年比割れはこれで17カ月連続。「牛丼並盛」を380円から270円へと大幅プライスダウンを実行したものの、意図した集客を図ることはできなかった。

 ライバル陣営のすき家と松屋は、250円と安く、価格だけが勝敗のポイントかどうかは一概には言えないものの、すき家は30%増、松屋も5.3%増とプラスとなっている。

 長らく業界を牽引してきた吉野家。味へのこだわりから米国産牛肉の使用を続けているが、オーストラリア産が主力のすき家などとのコスト差は歴然。8月以降はさらにキャンペーンの反動も見込まれるために、苦戦は続いていきそうだ。

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