神戸出身の華僑三世、ハリー・チェン氏がプロデュースした旅行用手帳が話題を呼んでいる。もともと氏は若手企業家として年間20万マイルの空の旅をし、渡航経験も数十カ国は下らない。そうした旅を中心にしたライフスタイルから生まれたのが「BTDT」。これは「Been There Done That」(そこ、行ったことある! それ、やったことある!)という意味で、旅に関するさまざま項目をチェックするダイアリーだ。日々の予定はもちろんのこと、旅での発見や経験をつづる、今まで行った国や場所を確認する、次のディステネーションを探すなど、旅にまつわるすべての記録が可能になった。書き込むほどに、自分だけの旅行記が出来上がる。
さらに秀逸なのはそのグラフィックセンスだろう。それぞれに関して「wish(行ってみたい)」「been(行ったことがある)」「again(また行きたい)」の項目にマークアップするようになっていたり、東京からの飛距離がシンプルにしてわかりやすいに図になっていたりと、文字を最低限にすることで書きたくなる気持ちを駆り立てるデザインが見事。先行して発売されたイギリスでは、ヴァージングループのリチャード・ブランソン会長がそのコンセプト、ビジュアルを共に絶賛。売れ行きも好調だという。満を持して、日本では10月1日から発売される。
自分の五感を刺激することこそ旅の醍醐味。自分の手でつくりあげるオディッセイは、ジェットセッターやホテルジャンキーの琴線に触れずにはおかない。トランクの底に一冊、ぜひ忍ばせておきたい。
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