起業家女性富豪の半数が中国人になった理由

 今月、英国ジャーナリスト・フージワーフ氏らによる「起業家女性富豪ランキング」が発表され、上位3位を中国人女性が占めたことが分かった。

 1位は玖龍紙業(ナイン・ドラゴンズ・ペーパー)董事長の張茵(ちょう きん)氏で資産総額は56億ドル(約4500億円)。2位は竜湖地産の呉亜軍(ご あぐん)氏で資産総額は41億ドル(約3300億円)、富華国際の69歳になる陳麗華(ちん れいか)氏が3位で資産総額は40億ドル(約3200億円)だった。

 中国人以外の女性では、ファッションブランドZaraやGap、Benettonの女性社長がランクインしたものの、上位20人のうち11人を中国人女性が占める結果となった。

 こうした結果について上海にある国際工商学院教授のナンダニ・リントンさんは毛沢東の言葉「空の半分を支えているのは女性だ」が人々の考えに深く浸透しているからとの見方を示す。こうした理念の下、すべての中国人女性は働かざるをえなくなったのだ。

 またニューヨークワークライフ政策センターの研究によると、中国人女性は全世界で最も野心的だという。中国人女性の76%が高い職位を望んでいるのに対し、アメリカではわずか52%に過ぎなかった。

 さらに同研究所によると、中国やその他BRICSの国々の働く母親は高い目標を持ちやすいという。その原因は保育を頼める人が多いということ。中国人女性は週に平均で71時間働くが、低価格でベビーシッターを雇えることが不可欠だ。また中国では、祖父母が子供を見ることが多い。一人っ子政策の下では大概、1人の子供を4人の祖父母にお願いできる。

 女性富豪の数が多いのは、こうしたベビーシッターの存在だけではない。中国人女性は、子供を預けることに罪悪感を持っていないことも大きな理由の一つと考えられる。

 だが、中国人男性と比べれば女性は依然として及んでいない。中国全体の富豪ランキングのうち、女性が占めるのはたった11%。中国女性の上位50位の平均資産と、男性の上位50位の平均資産を比較しても、女性は男性のわずか3分の1だ。

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