現役医師が経営する赤字覚悟の白衣セレクトショップ【2】

白衣一つとっても難しい

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 東京・品川区の「PROFESSOR’S ROUND」は、現役の神経内科医・藤元流八郎氏がオーナーを務める国内で唯一の白衣セレクトショップ。最近は、白衣にデザイン性を求めるニーズが増え、従来の白衣メーカーでも次々と新しいスタイルの物を発表しており、畑違いのアパレルブランドも参入しているが、実は落とし穴はあるという。

 白衣のデザインの難しいところは、ちょっと方向を間違えると、コックさんや板前さんと見分けがつかなくなる。有名なデザイナーさんが作られたもので、シェイプはかっこよくても大きなロゴが付いていていると、ドクターはそれを嫌がります。目立ち過ぎるのを嫌うんです。これは日本人の習性なのかもしれませんが、常識を逸脱しないながらも、微妙な違いがあるところが、心の琴線に触れるという志向があって、派手に飛びぬけているのはダメですね。中にはピンクのフリルがついた白衣が欲しいとか、目立つものを好む先生も稀にいますが。

 白衣は白だけではありません。黄色や緑、赤などカラーもの、絵柄が付いたものもあります。これらは小児科の先生がお求めになることが多いです。白衣を着ていると怖がるお子さんも多いので、動物の絵が付いている白衣を着ている先生だったら、お子さんも接しやすいのでしょう。


 プラス、ドクターが重視するのが機能性です。どんなにデザインが良くても、ポケットが浅いと絶対に売れません。白衣は職人のツールでもあるんです。オペをするときに、この姿勢のときはどういう具合になるかとか、着心地や機能にはみなさんこだわります。気に入ると、そこの医局で大量発注していただいたりしますので、店舗で試着できるというのは、ネットにはない大きなメリットなんです。

 来店する現役ドクターたちの意見を生かした、オリジナルブランドも販売している。写真の術衣もオリジナルブランド。術衣は脱ぎ着がしにくいと不満から、脇の部分をリブ織のストレッチ素材に。これは売れ行きも好調で、現場の声を反映した商品は確実に売れるという手ごたえを感じたそうだ。

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