スティールがサッポロ株を5.5%売却していた

 投資ファンドのスティール・パートナーズが先週までに、保有しているサッポロホールディングス株を大量売却していたことがわかった。5.5%分を売却し、保有比率は18.64%から13.14%に低下した。

 スティールが関東財務局に提出した大量保有報告書によると、市場外取引で10月8日と14日の2回にわたって売却。8日は600万株を単価374円で売却し、額は約22億4000万円に。14日は1200万株を単価350円で売却し、額は約42億円となった。

 保有目的には「適切と判断する時期及び条件により発行者の株式を市場内外において取得又は処分を行う」としているが、理由は明らかにされていない。

 先週末の15日にサッポロ株は一気に値を下げ、時間外で大量のクロス売りが出ており、スティールが売却したのでは、との噂が出ていた。さらには、現在保有する株式の中では、サッポロは象徴的な存在でもあり、日本撤退の可能性の噂も出た。

 スティールは、サッポロ株を2004年から取得開始し、以降は毎年のように、プロキシーファイトを展開してきたが、応じる株主は少数で、完全にこう着状態に陥っていた。

 サッポロにとっては、やりにくい筆頭株主が保有比率を減らしてくれるのはありがたいだろう。ただし、需給面で急激に株価を下げる可能性があるのは懸念ではある。

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