高さ世界一バージュ・ハリファ、実は投資物件

 アラブ首長国連邦(UAE)ドバイに屹立する高さ世界一の超高層ビル「バージュ・ハリファ」。高さをはじめ世界一づくしの建造物ではあるのだが、購入者は何のために買うのか。実はその多くが投資目的であることは日本ではあまり知られていない。

 不動産仲介会社の関係者によると、足元では住居部分の賃料が大幅に下落。すでに住宅部分(約900室)の約9割を販売済みだが、これまでに購入している人にとっては買う時期を間違えたのかもしれない。完成時から4割程度下落した物件も出ているという。

 ただし、これから購入を考えている人にとっては、今がそのチャンスにあたるのかもしれない。

 バージュ・ハリファは建設費1400億円ともいわれ、高さは828メートル。それまでは台湾にある総合ビル「台北101」(509メートル)が世界一高いビルだったが、ブルジュ・ハリファは2007年7月の建設中の時点で台北101を抜いて世界一となった。さらに世界で最も早い速度のエレベーター(秒速18メートル)、世界で最も高い屋外展望台(124階)、世界で最も高所にあるスイミングプール(76階)を備えている。

 エレベーターは56機もあり、建物に使われたコンクリートは10万頭の像の重さに匹敵し、壁に使われたガラスと鉄の量はサッカー場17個分に匹敵し、窓を清掃に4カ月かかるというから、想像の域を超える。

 しかし、この現代のピラミッドに冷水を浴びせかけたのが、2009年11月に発生したドバイ・ショック。ドバイ政府が持株会社ドバイ・ワールドの債務返済繰り延べを要請したことに端を発し、世界的な株式相場の急落につながった。その後危機は次第に鎮静化したが、今後も資金調達が難航すれば、金融市場に再び影響を与える懸念が指摘されている。

 今が買い時か、それとももう少し待つか。世界中の投資家や富裕層が注目している。

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