中国の大学教授の年俸は日本より高い

 今年9月、中国・深セン市にある「南方科技大学」が教員の募集を始め、年俸は最高で115万元(1300万円)以上に決まった。この南方科技大学は中国の高等教育改革を背景に、深セン市政府が設立を進めているもので、アメリカのカリフォルニア工科大学やロックフェラー大学のような教育機関を目指しているという。

 今回応募しているのは教授や助教授をはじめ、事務関係など6種類の人材で、教授の年俸115万元(約1300万円)以上は一般の大学の職員の報酬より20%~30%ほど高い。日本の大学教授の平均年収は1170万円というから、それと比べても力の入れ具合がうかがえる。
人材は中国国内だけでなく、日本やアメリカなど幅広く募集しているというが、現在教授職の履歴書は2000余り、教授補佐や行政管理人などの職員については3000余りの履歴書が届いている。

 大学側は、教授については博士の学位を持っていて、国際的に名の知れた大学もしくは研究機関での教授経験があり、豊富な数学の知識と人材養成の経験があることなどを求めている。最終的には世界の一流教授陣を20人から30人集めることを目標にしているという。

 現在中国では、優秀な人材の海外流出が大きな課題となっている。中国の名門大学・清華大学と北京大学でテクノロジー系を専攻した学生のそれぞれ80%、76%が卒業後渡米しているというデータがある。その理由としては研究機関のインフラや環境、待遇、雇用システムなど中国は大きく後れを取っているからだ。

 「優秀な人材をいかに留めるか」今回、深セン市が威信をかけて設立する新大学は、エリートたちを引き寄せる大きな魅力になるのだろうか?

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