米国投資家は日本の株式市場にも注目

 11月第1週の株式市場で、海外投資家の買い越し額が1カ月ぶりの高水準となった。投資主体別売買動向によると、海外投資家は1857億円の買い越し。売買シェアも69.1%と高水準。余剰資金が相場を押し上げるとの期待から、出遅れ感のある日本市場に投資マネーが流入している。また、やや中長期的にみても、外国人投資家は日本の株式市場に注目していることがわかる。

 日興アセットマジメントの分析によると、2009年1月~2010年8月の米国投資家の買い越し額は、英国、ブラジル、香港に次いで日本が4位。地域別ではアジアの買い越し額が他地域よりも圧倒的に多く、米国投資家がアジア株への選好を強めていることがわかる。ちなみに国別の5位以下は、5位韓国、6位オーストラリア、7位インド、8位タイ、9位インドネシア、10位メキシコと続く。

 米国内の低い金利水準や低成長を受け、金融危機からの立ち直りが早かった新興国などへ、〝カネ余り〟で滞留した資金が流入しやすい状況があった。また、経済の回復の遅い英国や日本への資金流入には、市場規模や流動性が高い中で出遅れ感が強いことが影響している。香港市場については、海外投資家の投資枠に制限のある中国の代替市場として注目された可能性が高いと考えられる。

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