フェラーリのIPO話がまた浮上の背景

 イタリア自動車メーカー大手フィアット傘下のフェラーリの新規株式公開(IPO)が再び話題に上った。今回は複数のアナリストが口にしているとの報道。業界再編の波の中にいる自動車業界で、フェラーリ株がキーを握る存在になっていきそうだ。

 地元紙によると、フィアットは米自動車メーカー、クライスラーとの統合を果たす前に、自動車部品メーカーのマネッティ・マレリや、フェラーリ株を売却する可能性を、アナリストとの会合で言及したのだという。

 その背景には、フィアットが、米クライスラーの株式出資比率を高めてIPOを検討しているということがある。現在の出資比率は20%で、過半数の取得を狙っていると言われている。

 そうした大きな動きの中での一コマとして、アブダビの投資会社が保有していたフェラーリ株を買い戻したことも、アラブ首長国連邦の地元紙Nationalは報じている。

 フィアットはフェラーリ株85%を保有。投資会社から買い取った5%を加えた90%に保有比率を高めるのだという。いくらかを売却に充てる、とも業界ではささやかれているが、そのフェラーリ株が、フィアットが描く業界再編のキー、いやキャッシュとなる可能性がある。

 何度も出ては消えてきたフェラーリのIPO話。今度は本当なのだろうか。


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