中小企業も海外で稼ぐ時代がやってきた

 これまで海外展開の主流は大企業だったが、近年は中小企業の海外展開が拡大している。アジアが中心で中国に投資が集中。従来は大企業に追随する形での進出が主だったが、次第に日本国内の内需縮小に危機感を感じたことによる自主的な海外展開に変化している。

 中堅・中小企業の海外現地法人については、業績面での厳しさや撤退比率が高いという問題がある。ただし、海外展開を企図する企業の潜在的な視野の広さや、旺盛な投資意欲を踏まえると、今後の成長が期待できるといえるだろう。

 中堅中小企業に対して、今後の展開上最も重視している国を聞いたアンケートでは、海外展開企業の約50%の企業が中国と回答しており、その存在感の大きさが窺える。

 三菱東京UFJ銀行経済調査室の木田祥太郎氏は「中国への進出にあたっては、生産コストの上昇や労働争議、技術流出や一層の競争激化など、さまざまなリスクが指摘されている。にもかかわらず、むしろ中国の重要性が高まりをみせる背景には、経済成長率の底堅さや現地市場の成長性の高さがある。さまざまなリスクをはらみつつも中国の存在感は大きく、海外への投資にあたっては『まずは中国』という構図が今しばらくは続く公算が高い」と指摘している。

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