FRBの量的緩和に経済学者の評価も割れる

 FRB(米連邦準備理事会)は追加的な米国債買い入れ措置(QE2)に踏み切ったが、その効果に対しては経済学者の間でも評価が割れている。

 以下は15日付の米ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)が伝えた、米国の経済学者の発言の一部。バーナンキFRB議長は、「マエストロ」と評価の高かったグリーンスパン前議長ほど、米国内で全面的な信頼を得てはいないようだ。

 「バーナンキ議長は実質、神にインフレ上昇を祈っているようなものだ。だが、それは無理だろう。QE2がそれ(FRBが望んでいる現行よりもやや高いインフレ率)をもたらすとは思わない。われわれは手詰まり状態だ」(スタンフォード大学のロバート・E・ホール教授 )

 「規模が小さ過ぎるのではないか。目標を達成するには不十分な公算が大きい」(マサチューセッツ工科大学のデビッド・オーター教授 )

 「わたしは、より懐疑的な側に与する。ここ(米アトランタ地区連銀で行われた雇用市場の問題に関する会合)では、そうした向きが大半だと思う。景気を刺激するには、企業の雇用費用を下げる措置が必要だ」(カリフォルニア大学ロサンゼルス校のゲーリー・ハンソン教授 )

 「インフレ率を少し上げるのは、良いことだと思う。2、3年間で3~4%にまで引き上げられればベストだ。だが、そのための適切な手段が量的緩和であるかどうかは分からない。何の効果もないかもしれないし、ひょっとしたら大いに効果があるかもしれない」(シカゴ大学のロバート・シャイマー教授 )

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