軽井沢別荘ライフのトレンド推移

軽井沢の別荘ライフのトレンド推移


写真協力:軽井沢高原教会
 19世紀終わりに宣教師が初めての別荘を建てて以来、日本屈指の避暑地・別荘地として揺るぎない地位を築いてきた軽井沢。1998年の長野オリンピックを機に、長野新幹線・上信越自動車道という交通インフラが整い、時間的距離も身近なリゾートとなった。こうした環境変化によって、従来とは異なる魅力を新たに見出して、別荘ライフを楽しむ人たちが増えている。そこにはもはや〝避暑〟だけではなく、春夏秋冬を通じで別荘ライフを楽しむ新しいスタイルが浮かび上がる。

 軽井沢の別荘ライフのトレンドは、次のように時代とともに変遷している。軽井沢の別荘の総合情報サイト「軽井沢 別荘Navi」を運営する星野リゾートに聞いた。

■2002〜2004年頃
 「避暑地・軽井沢」からの脱却が始まった黎明期。新幹線で首都圏に通勤する移住組や、一年を通じた週末ハウスとして利用する形態が新しいライフスタイルとして注目され始めた。東京ではなかなか実現しない、こだわりのファーストハウスを軽井沢に建てる人々も増えた。

■2005〜2007年頃
 2004年後半から、都心部のマーケットに連動して軽井沢の地価も底値を打ち、景気動向に敏感な顧客の引き合いが増した。多忙なビジネスマンにとって、自然豊かな環境での週末のリフレッシュはとても重要。時間的距離が短く、都市機能が整っている軽井沢は最も身近なリゾートとして注目され、必然的に「マルチハビテーション」「デュアルライフ」を楽しむ人々が増えてきた。

 豊かな自然、都市機能に加え、別荘文化の歴史を背景にしたコミュニティの存在も軽井沢の特徴。忙しい東京ではなかなか会えない人たちが集まることができる特別な場所であると言える。2006~07年にはバブルが囁かれもしたが、かつてのような投機的な動きよりも、実需=別荘建築のための購入が主流であったことは、軽井沢の別荘地としてのポテンシャルの高さを示している。景気回復に伴いマンション開発も活発になり、流入者が更に増える一方で、改めて環境を守るためのルール整備も進んだ。

■2007年後半〜
 2007年後半からサブプライムローンの問題が顕在化すると、上昇基調だった相場も落ち着きを取り戻した。景気の先行き不透明感から一部買い控えのムードはあったが、実需に基づいた確かなニーズに下支えされ、取引は堅調に行われていた。2008年秋のリーマンショック以降、景気の後退感を受けて動きが極端に鈍くなっていたが、2009年の年明け頃から部分的に動きが出始め、2010年に入ってからは、今が買い時であると判断する人が増えたようだ。

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