「インドネシア」―投資家の次の注目ターゲットか?

 IMF(国際通貨基金)が10月に発表した最新予測では、2010~15年の年平均成長率が5%を超える国はすべて新興国だった。中でも中国、インド、米国に次ぐ2億3000万人の人口を持つインドネシアは国内市場が拡大し、自律的な成長メカニズムが本格的に始動した典型例で、好調な経済を背景に、外国人の証券投資も増えている。

 日本総研調査部によると「インドネシアはリーマン・ショックによる落ち込みが軽微にとどまった後2009年半ば以降、成長ペースが再び加速。2010年に入り、実質6%の成長軌道に復帰した。外需の寄与は小さく、原動力は個人消費と固定資本形成。いわゆる内需の2本柱がリード役」という。

 また好調な経済を背景に、証券投資も急回復。三菱UFJモルガン・スタンレー証券によると「世界的なリスク回避姿勢の強まりに急減していた4~6月期から7~9月には急回復を遂げ、過去最高を記録した1~3月期の61億5900万ドルに迫る高水準になっている」。主役は外国人投資家で、国債やSBI(短期証券)への投資が急増。インドネシア貿易相はインドネシアルピーの緩やかな上昇を歓迎する発言をしており、外国資本の流入は今後も続くと予想される。

 株式市場への注目度も高い。インドネシアの株式市場は2003年~2007年までの5年間でBRICs4カ国を上回る上昇を記録。2008年の世界金融危機による下落幅も相対的に小さく、2009年以降の反騰により、再び2008年初めの高値に迫る勢いだ。日本では多くの証券会社が、インドネシア株に投資する投資信託を発売している。

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