バルト海で発見の200年前のシャンパーニュ、ヴーヴ・クリコと確認

 MHD モエ ヘネシー ディアジオが、今年7月にバルト海底から引き揚げられた難破船の中から発見されたボトルの中に、ヴーヴ・クリコのシャンパーニュが含まれていたことを確認したと発表した。

 このボトルは約200年前に製造されたもので、「世界最古のシャンパーニュ」となる可能性がある。11月17日にフィンランドのオーランド島マリエハムンで開封され、多くの報道陣やワイン愛好家が試飲した。

 ヴーヴ・クリコは7月に最初に引き揚げられたボトルについて、製造時期は推定1800年~1830年で、現在は存在しないシャンパーニュハウス、ジュグラーのものではないかという見解を出していた。その後今月16日、ヴーヴ・クリコ社醸造チームのフランソワ・オートクール氏と同社歴史家のファビエンヌ・モロー氏が、ボトルのコルクを詳しく調査した結果、ヴーヴ・クリコのものであることを確認した。ボトルにラベルが貼られていなかったため、コルクの内側の烙印が唯一の確認材料となったという。

 シャンパーニュを試飲したフランソワ・オートクール氏は、「完璧に、まだ飲むことができる。トースト香、ほのかにコーヒーの香り、また花やライムの木の非常に素晴らしい香りがある」とコメントしている。

 現時点でヴーヴ・クリコのものと判明したのは3本のみだが、今後数週間のうちに引き揚げされるものの中にもヴーヴ・クリコが含まれる可能性が高いと見られている。ヴーヴ・クリコは、今後もこの難破船に沈むシャンパーニュボトルの引き揚げ作業に協力していくという。

 ヴーヴ・クリコは1772年創業のシャンパーニュ・メゾン。バルト海はロシアの宮廷に向けて贈ったシャンパーニュの輸送船のルートとして、ヴーヴ・クリコを飛躍的に発展させたマダム・クリコの時代から頻繁に使われていた。

よかったらシェアしてね!
目次
閉じる