JALが消滅する日

 今年1月19日、日本航空(JAL)は、東京地裁に会社更生法の適用を申請した。負債総額は2兆3221億円で事業会社としては戦後最大。日本のフラッグキャリア、JALは今後どうなるのか? これまで会社更生法適用を申請した多くの企業の事例をみると、消滅した企業も数多く、その行方は必ずしも楽観視できないようだ。

 JALは2年後の再上場を目指しているが、過去に再生法を申請した上場企業の中には、後に再倒産や精算を余儀なくされた企業も多い。帝国データバンクがこれまでに会社更生法を申請した上場138社の追跡調査をしたところ、その4割が消滅したという結果が出た。

 調査結果によると、現在もなお「存続」している企業が73社(52.9%)、「消滅」した企業が59社(42.8%)。このうち再建途中で「二次破綻」した企業は31社(22.5%)と、全体の2割に上った。138社のうち後に「再上場」した企業は9社(6.5%)に過ぎない。

 ちなみに申請から再上場までの期間をみると、最短は1997年に更生法を申請し、2004年に再上場を果たしたヤオハンジャパン(現・マックスバリュ東海)の6年10カ月。米国のGMがわずか1年5カ月で再上場を果たしたような記録は、残念ながら日本にはない。

 JALは30日に東京地裁から会社更生法の認可決定を受ける見通しで、企業再生支援機構はJALに対して、予定通り12月1日に3500億円の出資を行う方針。しかし、日航客室労組の一部が整理解雇の実施に反対し、中止していたストライキ手続きの再開を決めるなど、再生を巡る行方はなお混沌としている。

 もちろんフラッグキャリアと他の一般企業を同列には比較できないし、JALには強力なスポンサーが付いている。しかし、今や世界のフラッグキャリアが例外なく、格安航空との熾烈な競争に巻き込まれていることも忘れてはならない。

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