「銅」価格急騰、買い手は中国と謎のトレーダー

 銅の価格が国際的に上昇し、ロンドン金属取引所(LME)の銅先物価格は、3日の終値が1トン=8768ドルとなり、今年6月以来50%近くも上昇した。これには実需の増加とともに、投機的資金の流入も影響しているようだ。相場には中国、謎のトレーダーたちが参戦しているとも言われ、来年は1万1000ドルを超えるという予想も聞こえ始めた。

 銅は用途が広く、電気器具の配線、部品、回路、ケーブルの材料として欠かせない。また、化合物、触媒としても用途が広く、新興国の需要増加も相まって需給がひっ迫。さらに、国際銅研究所が公表した需給見通は、2010年に20万トンの供給超過が、2011年には44万トンの不足に転じると予想している。

 背景には世界需要の約4割を占める、中国の積極的な買い入れがある。銅は建築業界でも不可欠な資源で、建設ラッシュに沸く中国では需要が増える一方だ。

 また、米ウォール・ストリート・ジャーナル紙が報じたところによると、「謎の買い手が、LME指定倉庫の銅在庫の半分以上を握っている模様だ」とのこと。半分と言えば同在庫約36万トンのうち18万トン以上、約15億ドル(1200億円)以上もの金額に相当する。

 世界にある取引所の中で、単一の買い手がこれほどの銅を保有することは珍しいという。このトレーダーがいつポジションを築き始めたのかも、正体も不明で、市場にはさまざまな憶測が飛び交っている。

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