実際には心のゆとりがない「ゆとり教育世代」

 「ゆとり教育世代は将来意識が強く、後悔しないように先回りして発想する」。電通総研が高校生を対象に調査を実施した結果、このような高校生気質が浮かび上がった。「ゆとり教育世代」でありながらも、実際には心のゆとりはあまりないようだ。

 まず、高校生の将来なりたい職業は1位が「公務員」(20%)、2位が「大企業の正社員」(19%)、3位が「介護士・保育士・看護師」(11%)と、安定志向が強く表れた。同社では「早くから『社会や景気のこと』や『自分に合った適職』を意識しているのかもしれない」と分析している。

 また、「不安に思うこと」の1位は「将来の就職」(80%)。高校生なのになんと「大学受験」(69%)より高く、目前の悩みより、今から先回りで将来を心配しておくことで、心の準備をしておこうという慎重姿勢が読み取れる。

 さらに、多くの高校生が「ゆとり世代と言われるのは嫌だ」(77%)と回答。その理由は「馬鹿にされているみたいだから」「将来を考えると不安」が多数を占めた。小学校からの「ゆとり教育」が将来のゆとりを奪ってしまった、皮肉な姿が垣間見える。

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