ローマの見どころというと、ヴァチカン、スペイン広場、トレヴィの泉、パンテオンと数え上げるときりがない。
しかし、道を一本入るだけで、バロック芸術の巨匠ベルニーニの作品をゆっくり見ることができる。
そもそもベルニーニはボルゲーゼ美術館に行けば、「アポロとダフネ」をはじめ、8点もの彫刻を見ることができるが、完全予約制であり、当日や前日での予約は難しい。
そして見学時間は2時間と制限されており、写真撮影も禁止されている。
写真はボルゲーゼ美術館。
今回は自由に見ることができ、写真が撮れる街中のベルニーニを事前にネット検索し、「地球の歩き方、イタリア編」の情報と合わせ、ローマを歩いてベルニーニを探してみました。
果たして、イタリア・バロックとベルニーニにどこまで迫れるでしょうか。
最初はサンピエトロ大聖堂の中にある「ブロンズの天蓋」。
9年の歳月をかけて完成させた、ベルニーニ最初の建築作品です。
祭壇後方の「カテドラ・ペトリ」。
後陣の聖ペテロの司教座を中心とした装飾で、ベルニーニの制作活動の総決算ともいえる大作。
正面後方左側にある「アレクサンドロス7世の墓」の彫刻。この作品は遠くから見てもすぐにベルニーニの作品とわかります。
サンピエトロ大聖堂からサンタンジェロ城に向かい、サンタンジェロ橋にあるのが「天使像」。後方にサンピエトロ寺院が見える絶好の撮影スポットです。
しかし、サンタンジェロ橋には似たような天使像が20体近くあり、ベルニーニの作はそのうちの1体。
「ベルニーニはどれ?」と聞いて、知っていたのは10人目ぐらいに尋ねた警察官だけ。
イタリア人は、ベルニーニにあまり興味が無いのかと思ったが、私が英語でしか質問できないのと、「ベルニーニ」の発音が「イマイチ」だったせいかもしれません(笑)
次にナボーナ広場まで歩いてきました。
毎年12月になると、ここナボーナ広場にお菓子を売るワゴンがたくさん立ち並び、子供たちで賑わうところから、亀屋万年堂は自社の洋菓子を「ナボナ」と命名したそうです。
お菓子のホームラン王はこんなところで、ローマと繋がってました(笑)。
さてナボーナ広場には3つの噴水あり、そのうち2つがベルニーニの制作。
円い大きな水盤の中央には岩が盛り上がり、岩の下の空洞からは動物が水を飲みに姿を現しています。
その上にナイル、ガンジス、ドナウ、ラプラタの4つの川を擬人化した彫像があり「四大河の噴水」と呼ばれています。
後ろに見える教会は、仲が悪かった「ボッロミーニの」設計だが、ベルニーニは「見るに堪えない教会だ」そして「倒れたら困る」と「ナイル川」の顔には布をかぶせ、「ラプラタ川」は腕を教会に伸ばして倒壊を防ごうとしています。
こういう作品が残っていることが笑えますが、実際には教会の完成は噴水の完成の4年後なので、事実は違うかもしれません。