2011年、京の年明け

今年、京の街は雪におおわれた、清々しい年明けとなりました。



私が子供の頃は、大晦日から元日に夜が明けますと、空気や陽光までもが生まれ変わったように新しく、希望に満ちているように感じられました。

家族は、着物から下着まで全て新しいおろしたてのものを身に付け、父から順に お屠蘇を注いでもらい、紅白の水引のかかりました新しい祝い箸で おせち料理をいただくのが、とても楽しく、晴れやかな、浮き立つような気持ちになったものです。



最近では、お正月といいましても、コンビニもデパートも営業をしていますし、晴れ着を着て、心新たに居住まいを正すというようなことも、少なくなってきたように感じます。

それでも、この年明けには、わが家のあたりは一面白く雪化粧を施され、清新な気持ちにさせてくれました。

そして、京の1月は とても忙しいのです。

京都には、茶道華道、能や日本舞踊など たくさんの お家元がいらっしゃいますし、初釜や初生け、初稽古などの大切な行事が執り行われます。



毎日どこかで、お釜がかけられましたり、改まった紋付き姿のかたがたを目にいたします。

お付き合いの多いかたでしたら、連日、時には日に何件もかけもちで、あちらの初釜、こちらの初稽古やご挨拶会にと スケジュールがいっぱいになります。

「昔のようには、お正月らしさが無くなったもんやねぇ~」と、皆で話しながらも、やはり希望と期待に満ちた年の始まりを、誰もが願っているのでしょう。

あわただしい中にも、新年の喜びに溢れた良い「気」に満ちているように感じられます1月の日々を過ごしています。


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