後発医薬品のジェネリック大手、沢井製薬は3月1日、キョーリン製薬HDに対する経営統合提案について、打ち切りを発表した。沢井はキョーリン株を引き続き保有するものの、実質的な交渉はこれで途切れたことになる。
沢井は昨年から、キョーリンの株式5%を保有した上で、経営統合提案を行った。だが、キョーリンの創業一族が株式を売却しないことで結束し、実質的には統合は無理と見られていた。提案の回答期限が今年2月いっぱいで、キョーリンは提案に応えることなく、タイムリミットとなった。
キョーリンの方が売上規模1000億円ながら時価総額は1100億円規模。対して沢井が売上500億円規模で時価総額が1200億円。キョーリンが売上の割に、株価は安かったために、昨年9月には株価も反応した。
沢井はジェネリックに、新薬開発も取り込もうとキョーリンを狙ったが、失敗に終わった。
沢井は「キョーリン取締役会が本案へ賛同しなかった適切な理由の開示がなされなかった事につき大変遺憾に存じますが、現時点において、キョーリンとの間で本案に基づく交渉継続は当社にとって有益なものとはならないと判断しております」としている。
沢井は今後もキョーリン株を保有し「株主として経営の推移を見守る」としている。
捲土重来を期するのか、あるいは、キョーリン株も日本株の上昇相場に乗っているためにうまく利幅を取るのか。