大阪百貨店戦争スタート、割りを食う郊外アウトレット

都心で客の奪い合い、郊外アウトレットは…

 関西の商業施設で、客の取り合いバトルが始まった。3月3日、改装していた高島屋大阪店(大阪市)が全面開業したのを皮切りに、大阪市内では大手の新規開業や改装オープンが続く。そのおかげで消費者が都心の百貨店に戻っているとみられるが、半面、好調を続けていた郊外のアウトレットモールに影響が出ている模様だ。

 高島屋大阪店は、改装開業後の日曜日、ごったがえすほどの賑わいとなった。店内のあちらこちらで、有名人を招いたトークショーなども実施。来店客は「何が買いたいという目的があってきたわけではないが、イベントをみているうちに、洋服を買っていた」(70歳、京都府在住の主婦)と笑う。

 大阪では、開業・増床ラッシュが続く。「ミナミ」といわれる難波地区に立地する高島屋大阪店は、紳士服売り場を従来の1.7倍に広げたことが目玉。20~40代の男性に人気のブランドを集めた。改装の投資額は450億円で、全体では4割の増床となった。

 「キタ」と呼ばれる梅田地区では、4月19日に大丸梅田店が改装開業する。こちらは300億円を投じて6割の増床。5月4日には、JR大阪駅に直結したビル内にJR大阪三越伊勢丹が開業する。キタを象徴する百貨店、阪急梅田本店は、2012年春の建て替え完了後、売り場面積が8万4000平方メートルと梅田で最大になる。

 来春、梅田だけで合計の売り場面積は計約25万平方メートルとなり、全国トップクラスの激戦区が完成する。

 こうした都心百貨店の競争の影響が出ているのは、郊外のアウトレットモールだという。

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