「訓練も受けていない『ボランティア』はただの野次馬観光客です。何の役にも立ちません」。
1995年の阪神・淡路段震災からすでに16年が経過。当時の被災者だからこそ経験し、感じた心情がある。その思いを兵庫県・西宮市議の今村岳司氏が自身のブログで綴っている。
「まずは、呼ばれでもしないかぎり、絶対に被災地に行かないことです。被災地から出ようとする人、入ろうとする支援部隊や家族でアクセスはただでさえ大混乱ですから非常に邪魔です。統制もとられておらず装備もなく訓練も受けていない『ボランティア』はただの野次馬観光客です。何の役にも立ちません」
何か協力したいと思うのは、当然だろう。しかし、自分が何ができるのかを冷静に考えないまま現地入りしたボランティアたちの姿が目立ったのも事実だ。
「悔しくて、悔しすぎて、記憶から消していたことが、いろいろ蘇ってきて辛いです。ひとつは、観光気分で来た自分探しボランティアの連中のこと。彼らは、人から感謝されることを楽しみにやってきただけでした。だから、汚れ仕事やしんどい仕事は何かと言い訳しながらやりませんでした」と、目の当たりにした実情を語った。
その上で「彼らで集まって楽しそうに親睦を深め合っていました。そんな彼らに惨めな被災者と扱われる屈辱。何日か経ったとき、避難所のリーダーが耐えきれずに怒鳴り散らして彼らを追い返してくれました。彼らがいなくなっても、彼らに受けた屈辱は消えませんでした」という、心情を吐露している。
被災者だから判る教訓。それがブログと言えども文面からにじみ出でている。東日本大震災は、阪神淡路大震災以上の被害になることは確実視されており、同じ轍を踏むことだけは、絶対にないようにしてほしいものだ。
津波被災者の救助にあたる自衛隊