被災地に駆けつけた中国富豪

 中国で毎年3月上旬に開催される「両会」(全国人民代表大会と中国人民政治協商会議。日本の国会に相当)に11年連続で参加していた“慈善富豪”陳光標(ちん こうひょう)氏は、両会の開催中にもかかわらずこれを“早退”してしまった。理由は日本で起きた大震災救援のため。5台の貨物車に救援物資を積み込み、自らも日本へ渡った。

 四川大地震の際にも、60台余りの建設機械を率いて現地に乗り込み、被災者の救出に当たっている。このときの650万元(約8000万円)を被災地に寄付した。さらに彼がこの年、慈善活動に寄付した額は1.8億元(約22億円)上る。

 今回、東北地方は福島原発事故により放射能の危機にもさらされている。そんな中、陳氏は自分の命を顧みず被災地に入った。彼は、東北地方が津波に襲われた10分後、日本行きを決め、100万元(約1200万円)の寄付を出した。さらに、2万元(約25万円)で日用品や医薬品を買い込み現地へと向かったという。

 陳氏は中国版ツイッターの中で、「私は地震当日夜9時に香港経由で日本に入った。昨日から、千葉、茨城、福島で活動している」と書き込んで活動を報告した。

 中国メディアは災害にあたり、中国の富豪はさらに多くの慈善活動ができるはずだとした上で、陳氏を賞賛している。ただ、ネット上では「かれはショーをしているだけだ」「どして(10日に地震が発生した)雲南の被災民を助けないのか」など批判的な声も上がっているという。

よかったらシェアしてね!
目次
閉じる