東電の清水社長は「日本広報学会」会長だった

 各方面から不評を買っている東京電力の清水正孝社長だが、実は「日本広報学会」の会長なる役職を務めており、「これからの広報活動に求められるのは『伝える広報』から『伝わる広報』への変化ではないかと思っております」と語っている。不明瞭な説明の会見を繰り返す同社の現状を、どう見ているのだろうか。

 まず日本広報学会とは、経営体の広報活動全般について、学術的および実践的な研究を行い、研究成果を発表しつつ、理論としての体系化を目指すという団体で、公式HPには「国際社会に通用する広報マインドの醸成に貢献する」とある。

 過去の会長には、瀬戸雄三氏(アサヒビール元社長)、張富士夫氏(トヨタ自動車元社長)が名前を連ね、2氏は現在は顧問となっている。

 清水社長だが実は副社長時代には広報担当だったこともある。その時には、旧江戸川のクレーン船による送電線事故や、新潟県中越沖地震の対応も経験している。その経験を通じて学んだことを次のように、述べている。

 「これら事象をはじめとする広報経験を通じて、企業経営における広報・コミュニケーション活動の重要性を改めて感じるとともに、これからの広報活動に求められるのは『伝える広報』から『伝わる広報』への変化ではないかと思っております」

 地震が発生したのが11日。東電の初めての会見が13日の夜。発生当日は会長、社長の2人が発生時にたまたま出張中だったとも言われているが、スケジュール上のことで仕方がないのだが、清水社長はその後、顔を見せないために、挙句の果てには「社長入院説」まで飛び出す始末だ。

 勝俣恒久会長が社長時代に、新潟県中越沖地震による柏崎原発の対応で後手に回ったと、当時の記者たちからの評判は芳しいものではない。清水社長は、そうしたトップの姿を目の当たりにし、また広報担当を経験しながらも、結局は何も学んでいなかった、ということなのか。


日本広報学会HPより

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