東京電力の株価が、先週末には一時399円という歴史的な水準にまで下がった。ディフェンシブ株の王者として長年君臨してきた東電。真偽は定かではないが、東電株の配当生活者と見られる人物からの書き込みを発見。約1億円の評価損を出し、関西電力に乗り換えたようだが「もう、だめです…」と絶望しているようだ。
インターネット上の掲示板に3月6日に、東電株7万株(時価約1億4800万円分)を保有しているという54歳の無職男性からの書き込みがあった。年間配当だけで420万円あるのだという。
この時点では、大震災は発生しておらず平常の状態であった。終値は2128円だった。それが14日にには1621円でストップ安となってから、目も当てられない状態となる。16日には半分以下の921円まで下落してしまう。
書き込み主が本当に東電株7万株を保有していれば、この間はどんな心境だったのだろうか。そして、18日に同じだと見られる人物が「久しぶりです」として、再度書き込みを行っていた。それは、次のような内容だった。
「関西電力に乗り換えました…もう、ダメです…」
保有株が関西電力3万株(時価約5982万円分)だという。資産は半分以下となり、配当も180万円になるのだという。東電を売り払っていたのだ。この男性の資産は他には、都内に一戸建て(ローンなし)を所有し、現預金も1650万円あるという。
ただ、やはり一点集中というポートフォリオが完全に裏目に出た形だ。それでも、途中で逃げることができただけでも、まだ良しとするべきなのか。投資にノーリスクなど存在しない、という教訓だ。
東京電力本社ビル