ビールを飲めば放射線を3分の1削減できる?

 福島第一原子力発電所の事故によって、放射性物質が各所に拡散する可能性がある中で、人々は不安におびえる。復旧作業が長引く中で東京はおろか、日本を脱出する人も出てくるなど不安は増幅する一方。そんな中、ビールが放射線の防護に効果がある、という驚くべき研究結果が、6年も前に放射線医学総合研究所から発表され、それまで人知れず光が当たらなかったが、今となって改めて脚光を浴びているのだ。

「一石を投じる」研究

 福島第一原子力発電所の事故で、東京、あるいは日本を脱出して海外に逃げたりする人も出る始末。「原発アレルギーを示す外国人が、こんなに多いとは思わなかった」と、ある外資系企業のビジネスマンが話した。


 そんな中で、6年前に発表されていた研究論文がにわかに脚光を浴びているのだ。それは、放射線医学総合研究所(以下放医研)と東京理科大による研究。ビール成分に放射線防護効果を確認し、ヒトの血液細胞とマウス実験で実証したというもの。放射線防護効果は最大34%にもなったという。

 しかも「放射線防護剤にはさまざまな薬が開発されているが、副作用を伴うものもあり、新たな薬剤開発が待たれている。今回の成果は、新たな放射線防護薬剤開発に一石を投じるものとされる」という記述がある。

 これは期待できると思い、さっそく放医研に連絡を入れてみた。放医研の広報課に取材を申し込んだが「すでに研究者が退職していますので、ご対応はできかねます」という回答だった。

 研究のその後の進展をたずねてみたが「研究者もいないので、この論文以上のことは…」というものだった。

 ただ、幸いにも当時の研究メンバーに話を聞くことができた。

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