エルメスがゴルチエ全株式をブーチに売却

 エルメスは3日、45%の株式を保有するブランド「ジャンポール・ゴルチエ(Jean Paul Gaultier)」の全株式をスペインのブーチに売却したと発表した。売却額は3000万ユーロ(約36億円)。

 エルメスは先代の社長だった故ジャンルイ・デュマ氏が1999年に、ゴルチエと提携し資本関係を結んだ。以来ジャン・ポール・ゴルチエ氏がエルメスのレディースのディレクターを務めていたが、昨年デュマ氏が亡くなってから退任。ライセンス収入はあったが、資本関係を永続させる意味を見出しにくくなっていた。

 さらに、エルメスは昨年暮れからLVMHのベルナール・アルノー氏からの買収攻撃を受けており、一応の決着はついているとは言え、今後の資本政策上は手元の流動資金は多いに越したことはない。

 一方、買い手となったブーチは1914年に創業し、2007年からブーチ・ファッション・グループに名称を改め、「ニナ・リッチ」などを傘下に収めているスペインの大手ファッショングループ。プラダのフレグランスなども展開している。

 エルメスのパトリック・トーマスCEOは「ゴルチエとプーチとの新しいパートナーシップは、今までにない新たな価値を創造してくれることでしょう。われわれはその橋渡しができたことをうれしく思います」とコメントした。


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