仏著名デザイナー、ピエール・カルダン氏(88)氏が同社を売却する、と米紙ウォールストリートジャーナルの単独インタビューに答えた。
同紙によると、同ブランド創業者ピエール・カルダン氏がその意向を固めた模様で「今すぐにでも売りたい」と答えている。その理由を、80歳と高齢のために「この事業を続けていきたいのだが、自分が長くはここにいないことはわかっているからだ」と話している。
カルダン氏が今回提示した額は、14億6000万ドル(約1175億円)。数年前にも事業売却について言及したこともあったが、その際には7億1600万ドルと今回の半分の金額を提示していた。
カルダンといえばブランドでは初めてライセンスビジネスを展開し、世界にそのブランド名を拡げた。威光は全盛時よりも落ちてはいるものの、新興国ではまだブランドの力はあり、中国の投資家集団が数年前に買収に動き出したこともあった。ただし、その際にも算出された金額は2億ドル少々だった。
カルダン氏自身の見積もりは高すぎる感はあるが、ただブランドを取り巻く環境は騒がしい。仏の世界最大のラグジュアリーコングロマリットLVMHが、ブルガリを買収し、エルメスにも手を伸ばそうとしたように、業界再編の機運が出てきていることだ。
LVMHのベルナール・アルノー氏と、新興国の投資家あたりの買収合戦になれば、高騰も期待できなくはない。
しかし、専門家たちは、明らかに割高だと見ているようだ。
ピエール・カルダン氏