東京電力は12日、福島第一原子力発電所1号機について、圧力容器の底に穴が開いており、水が溜まって下に漏れていると発表した。同社はメルトダウンを否定したが、今後の作業工程に支障をきたす可能性が高くなった。
1号機の現在の状態としては、原子炉の温度を冷却のために冠水作業を行っている。しかし、底に穴が開いており、水が計画よりも溜まり具合が少ないという。
東電はこの日の会見で「(圧力容器が)溶けて形状を維持できていない。それが下の方に崩れたような感じになっている。チャイナシンドロームのような状態ではない」と説明し、メルトダウンについて否定している。
圧力容器の外部に漏れた可能性は否定できないが、落ちた水の量はハッキリわからない。
メルトダウンとは、炉心の耐熱を上回る高熱によって炉心が溶融、損傷すること。チャイナシンドロームとは、映画「チャイナ・シンドローム」で米国で原発がメルトダウンすると高熱が地中を溶かし、地球の反対側の中国に到達するというブラックジョークから生まれた言葉。