パナソニック「三洋は本社全員いらない」

 パナソニックの100%子会社となったパナソニック電工と三洋電機で、“仁義なき”リストラが始まった。国内で1万数千人が不要になるとみられるが、悲惨なのが両社の本社管理部門だ。三洋関係者は「本社の全員がいらないといわれた」といい、夏から秋にかけて、早期退職を募集する予定となっている。

30歳代後半から受け入れ先はなし


 三洋の管理部門の、ある50代管理職。いま、部下のグループ内での受け入れ先探しに奔走している。

 「三洋の生き残る事業で受け入れ先を探しているが、検討してもらえるのは30代前半まで。管理部門の色に染まってしまった社員は受け入れ先がない」とため息をつく。「英語が話せるとか、資格をもっているとか――でも、個別には検討してもらえない。人数が多いため、年齢で足切りされてしまう」

 引き受け先がない社員は、5月末に確定してしまうという。「外の知り合いにも声をかけ、部下の能力がいかせる会社がないかを探している。40代になるとなかなかないが、外の世界になれば、英語やIT資格があれば検討してもらえる」とも。そう話す本人も、人の心配だけをしていられるわけではない。

 「立場上、自分の行き先を探すのは後。“しんがり”を務める戦国武将の気持ちです」

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