海水注入中断で「責任のパス回し」続く

 福島第一原発の海水注入を中断した問題で、東電側は首相官邸にもファクスで連絡をしていたと、原子力安全・保安院の西山英彦審議官が26日発表した。

 産経新聞によると、海水注入の3時間以上前の3月12日午後3時20分ごろに東電から事前報告として送られてきたという。また、同時に内閣官房にも送信されていたという。

 首相が止めた⇒東電から報告がなかった⇒原子力安全委員会が止めた⇒首相が注入する指示をしたメモが出てきた、と責任の所在が曖昧で二転三転する中で、この問題は収拾がつきそうにない。

 そのファクスが、内閣官房の中でどのように共有されて反映されていたかが大事になってくる。結局、首相をはじめ混乱していただけなのかもしれないが、責任のパス回しはまだ続きそうだ。

 枝野官房長官は、26日午前の会見では「原発事故への政府対応について、情報の疎通や共有について結果的に十分でなかったというご批判は真摯に受け止めねばいけないという風に思う。しかし、事故に関し知っている情報を隠したり小出しにしたということは一切ない」と述べた。

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