資産200億円のBNF氏に憧れ、道を踏み外した男


 ニセの注文で株価をつり上げる「見せ玉」を行ったとして、証券取引等監視委員会は、福岡県のデイトレーダー男性ら数人を、金融商品取引法違反の疑いで強制調査を始めたことが30日、産経新聞の報道で分かった。グループの中心人物の男性のブログが共感を呼び、ここを「掲示板」として利用。資産200億円以上を誇る投資家BNF氏に憧れた男性は、株で1億円を稼ぎだしたが、道を踏み外してしまった。

 男性は大学に入学するも、初日の講義で遅刻してしまい、そこから引きこもりになったという。10年に渡る引きこもり生活が原因で、父は母と別れ、さらには自宅が差押えられて、強制的に一人暮らしせざるを得なくなっていた。

 そして、BNF氏に憧れ、株式のデイトレーダーとなる。いつしか4年程で1億円を稼ぎだすまでになっていた。

 2006年から開始し、07年には2000万円以上の利益をあげ軌道に乗ると、それまでは取り引きした銘柄をブログに書いていたのだが、ある日を境に銘柄と資産額を書かなくなっていた。さらにはコメント欄には、やたらと非開示のものが多く、この掲示板で「見せ玉」の打ち合わせをしていた可能性があると見られる。

 また、08年の途中からブログは途切れて、10年から別のブログで再開している。その際にも、ユーザーからは温かい反応で迎えられるなどしていた。

 産経新聞によると、監視委が強制調査した5月中旬には男性の口座に約1億円の残高があったという。監視委は福岡地検に刑事告発する方針だという。

 相場操縦は刑法では、10年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金、もしくは両方が課されることになっている。

 男性は自分自身のひきこもりが両親の離婚の原因となったことを「罪を一生をかけて償っていかなくてはならない」と書きこんでいた。皮肉なことに、償う罪がまた増えることになりそうだ。

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