これで「フェラーリ上場計画」はなくなった?
米財務省は2日、公的資金を注入し株式を保有する米クライスラーの全株式をイタリア自動車大手フィアットに売却することで合意したと発表した。
財務省はクライスラー株の6%を保有。フィアットはすでに46%を保有しており、米、カナダ両政府の融資を返済することで、新たに株式を取得できるオプション行使が可能となっており、これで52%になり、過半数を握ったことになる。
フィアットとしては、クライスラーを経営支配して、自動車業界の業界再編の主導権を握ろうとの計画があった。その原資の一つとして、フィアットの切り札でもある「フェラーリ株」のIPOの話がこれまで何度か出てきた。あるいは、匂わせてきた。フィアットにとっては伝家の宝刀でもある。
フェラーリはIPOすれば6000億円との試算もなされたこともある。だが、まずはクライスラーの過半数取得という目的を達したために、それは完全に消えることになる。
しかし、さらなる再編が進んでいくとすれば、黄金のトロフィー資産の存在が再び注目される。