東証社長が自分の首を締めた?

 6日の東京株式市場で、東京電力株が前週末比80円安のストップ安の206円まで売られた。これは東証の斉藤惇社長が「法的整理が望ましい」との発言に反応した形だ。しかし、東電は日経平均採用銘柄だけに、早く退場してもらいたいとの本音が出ているとも取れる。

 東日本大震災の影響はあったものの、日経平均株価は、東電に引きずられているとする見方は多い。現在は9500円台を割り込んでおり、上場廃止すれば1万円台回復とも言われている。

 約1兆2000億円の通期赤字を計上した東電は、EPS(一株利益)はマイナス846。つまり全体のPER(株価収益率)を引き上げる存在となり、割高となる。

 また、東電につれ安する形で、ともに日経225銘柄である関西電力、中部電力も年初来安値を更新しており、足を引っ張っている。

 東証はこの日「東京電力が上場廃止基準に抵触すべき事実はない」とするコメントを発表。社長の発言を巡って自身自身で尻拭いをすることとなったが、自分で発言して株価を下げて、日経平均まで下げて、首をしめてしまった形だ。

 確信犯か、それともここまで予想していなかったのか。観測気球を打ち上げたつもりが、想像以上に反応が大きかったというのが、今の本心ではなかろうか。


東電本社

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