「焼肉えびす」営業再開断念、固定費増加が事故招いた

 東京商工リサーチは10日、「焼肉酒家えびす」を展開するフーズ・フォーラス(金沢市入江2-82-1、資本金4000万円、勘坂康弘社長)は、全社員60人に解雇を言渡し営業再開を断念した、と発表した。

 原則として発表する企業は負債30億円以上だが、社会的な反響が大きいためか発表となった。負債額は調査中としており、死亡、重症患者に対する損害賠償額などを含めると数億円規模に膨らむことが予想される。

 同社は、一皿100円、平日半額など安価な価格設定のメニューを豊富に揃えることによって業績を伸ばして店舗は20店舗となり売上も20億円を突破した。

 ただ相次ぐ出店による固定費増加や、食材や燃料高騰もあり利益率は鈍化傾向にあった。その間、一昨年7月を最後にユッケや調理室の衛生検査を行っていなかった。

 そうした中で今年4月に砺波店などで集団食中毒により死者が発生。5月には富山県警などが本社や関係店舗を業務上過失致死容疑で強制捜査に踏み切り、無期限の営業停止処分を受けた。

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