「データセンターを受注できそうだったのに、関電に水をさされた――」。10日、関西電力が発表した節電要請が、波紋を広げている。東日本大震災による福島第1原発事故の問題で、定期点検中の関電の原発も再稼働が難しいからだが、「関電の発表は唐突で、需要家への説明が後回し。電力を“売ってやっている”という態度にみえる」(中堅商社)という批判も出ている。
いきなり一方的に3カ月間も節電しろとは?
そびえ立つ関電本社ビル(大阪市北区)
大震災後、拠点集中はリスクが高いと判断した企業が増えた。データセンターなどの業種では、西日本にも拠点を設けようという動きが出ていたから、関電の発表は「関西シフト」の出鼻をくじいてしまった。
ある大手電機メーカーの関西拠点幹部はこうなげく。「データセンターがひとつ新設されると、多くの機器が売れる。5月から具体的な商談が始まっていたのに、関電のせいで、一旦見合わせることになった。注文は、中国地方に逃げるかもしれない」
企業が関電に対して憤るのは、発表の仕方に問題があったからだ。