世界最大のSNSフェイスブックの創業者マーク・ザッカーバーグ氏と、その権利を巡って係争していた、ハーバード大学時代の学友ウィンクルボス兄弟は、最高裁に上告しないことを決めたことが22日、米ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)の報道でわかった。
WSJによると、ウィンクルボス兄弟の代理人は米サンフランシスコの連邦第9巡回控訴裁判所への提出書類で、「慎重な検討」の結果、最高裁への上告を断念するとしたという。
書籍、映画でも描かれているように、ウィンクルボス兄弟は大学在学中に後輩のザッカーバーグ氏にSNS「コネクトU」の仕上げを依頼。しかし、ザッカーバーグ氏がSNSを発表してしまい大学内で話題となり、既成事実化されたという。
ウィンクルボス兄弟は学長に仲裁を頼みこむなど様々な手を尽くしたものの、フェースブックの成長の増殖度合いが速く、もはや訴訟を続けることも得策ではないとの判断を下した可能性がある。
08年の訴訟では、現金2000万ドル(約16億円)、ストックオプションなど4500万ドル(約36億円)の支払いで一時は和解に達した。舞台は控訴審へと進み、今春、ほぼ同じ条件での和解案が提示されていた。だが、フェースブックの評価額が、大きくなったため、もっと引き出すことができる、との判断が働いたのかもしれない。
ウィンクルボス兄弟(タイラー、キャメロンの双子)は資産家の出身で、兄弟で北京五輪のボートにも出場し入賞も果たしている。ちなみに、キャメロン氏は自身のフェースブックアカウントを持っている。
ウィンクルボス兄弟(左からキャメロン、タイラー)