液晶テレビで苦戦の続くシャープ(本社・大阪市阿倍野区)の定時株主総会が23日、大阪市北区の大阪府立国際会議場(グランキューブ大阪)で開かれた。送迎シャトルバスやお菓子の手土産は健在だったが、会場にすんなり入れない高齢株主が激怒。株主向け工場見学の抽選倍率が50倍となり、ほとんどの人が抽選もれしていたことが暴露されると、「株主軽視だ」との厳しい声が上がった。片山幹雄社長は「年配者を大切にするのがシャープの根本姿勢です」と謝罪。総会は、株価低迷にいらつく高齢株主の不満のはけ口の様相となった。
受付の手際の悪さに株主激怒
送迎シャトルバス乗り場の難波駅前。開場1時間前の午前9時過ぎには、株主であふれかえっていた。大半が60代以上の男性。ノーネクタイの半袖シャツにグレーのスラックス、ショルダーバッグという熟年ルックばかり。
バスに乗り込むと、隣の席の男性に話しかけられた。60代後半のよう。ここ数年は毎年出席しているという。「パナソニックに買収されて上場廃止になった三洋(電機)の総会に比べたら、ここの(総会)はおだやかですよ。ただ、今年は株価が下がってるんでなぁ」とポツリ。
バスは約15分で会場へ。国際会議場入り口付近には長い列ができていた。会場となる5階のメインホールにはエレベータ6基、エスカレーター2基があるが、約2000人の株主をさばききれなかった。エレベーターホールで、株主は滞留。すし詰めのホールでエレベーターを待つのは高齢者には、なかなかこたえるらしく「どないなっとんねん」とぼやきが聞こえた。
シャープ株主総会の手土産。今年は200円
ほどグレードダウン
総会は午前10時に開会。片山社長から事業報告があり、その後に株主からの質問タイムがもうけられた。まず、口火を切ったのが60代とおぼしき男性株主だった。