人の松下も今や「(三洋の)人は要らない」に

 パナソニックの100%子会社になり、大リストラが伝えられている三洋電機。24日に開かれたパナソニックの株主総会では、株主から三洋のリストラについての質問が続出、大坪文雄パナソニック社長は「ご理解を」と話し、計画を認めた。三洋はパナ創業者、松下幸之助の義弟、井植歳男氏が興した。井植氏はパナ創業期メンバーでもあった。総会ひな壇には、井植氏と働いた松下正治名誉会長と、その息子、正幸副会長もいた。幸之助が掲げた「家族的経営」がはるか遠い時代になったと感じさせる光景だった。

役員ら60人が並ぶひな壇


パナソニック株主総会受付
 パナソニックの株主総会は、コンサートも開催される大阪城ホール(大阪市中央区)で開かれた。JR環状線の大阪城公園駅から歩いて5分の場所。「演歌のコンサートでもあった?」

 怒涛のよう押し寄せる年配株主の姿に、若いカップルの男性が思わずつぶやいた。近くのホテルでは武田薬品工業の株主総会も開かれていたため、混雑に一層拍車がかかった。開会30分前。アリーナ席は早くも半分以上が埋まった。発表によると出席者は約4000人。株主誘導には、白い制服を着た大量のコンパニオンが動員され、この暑さというのに、ブランケットを手に高齢者の希望を聞いて回っていた。空調で体が冷えてはいけないという年配者への配慮なのだ。

 開会時刻、ひな壇には役員ら関係者がずらり。その数約60人。肉眼では豆粒のように見える。今回、上程されたのは取締役20人と監査役2人の選任の2議案だけだった。

 4月に、三洋電機とパナソニック電工を完全子会社化したばかり。最初に質問した男性株主は、さっそく三洋問題に切り込んだ。

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