ドン ペリニヨンの醸造最高責任者リシャール・ジェフロワとフェラン・アドリアとのコラボレーションは、今年の5月6日一夜限り。私が飲んだ2002年も含めて1969年、1973年、1976年、ロゼ1990年、1996年と全部で6種類のヴィンテージと、エル・ブリは50人のゲストに50人のシェフが4000ものステップを踏んだ珠玉の47皿が供せれたとのこと。1皿目は「サトウキビ:モヒート-カイピリーニャ」。その他「アスパラガスと味噌」「海苔とレモン」というように、日本料理にインスパイアされた味覚のマリアージュも。
さて、7月末に営業終了した後、レストランはその歴史に幕を下ろし、再開はないとのことなので、この5月の一夜は世紀のお料理と究極のヴィンテージ シャンパーニュ、ドン ペリニヨンとの最初で最後の競演だったわけなのです。 決まっているのは2014年にガストロノミーだけではなく、デザイン、アート、建築などクリエーションの発信基地と文化交流の場を造るべく「エル・ブリ基金」が立ち上がるということ。ここでも、「創造の自由」を信念として共有するドン ペリニヨンが協賛をするらしい。
雄は雄を知る、いや最高のガストロノミーとシャンパーニュはやはり恋愛関係に例えるのがふさわしいかも。シルキーな泡をたてる一杯を傾けながら、遠くスペインに思いを馳せたのでした。