謎のヴェールに包まれてきた米国の穀物メジャー「カーギル」が、10年以内に新規株式上場(IPO)する可能性がある、とブルームバーグマーケッツ9月号に特集されている。1865年創業の世界の食糧供給を牛耳るとまで言われた巨大企業だけに、IPOとなれば世界の食糧供給支配の全貌の一端が明らかになる。
同グループは1865年創業で7世代にわたる同族企業で米国では例がない特殊な企業だ。
ブルームバーグ・マーケッツ9月号によると、現在も創業者のひ孫ジェームズ氏の相談を受ける弁護士は「(現世代は)カーギルを非上場企業にしておくことにそれほど強い思い入れがあるわけではなかった」と語っているという。
筆頭株主で一族の家長だったマーガレット氏が06年に85歳で死去したが、生前に慈善事業に寄与するため、保有する17.5%の株式を売却を意図していたという。だが、株式が市場に出回ることを懸念したマクミラン氏ら長老たちがいて、うまく処理された。
現在の一族メンバーは経営中枢にはおらず、長老たちから世代が変われば、カーギルの非上場の歴史は終わるかもしれないという。
長きにわたるカーギルによる世界の「食糧支配」。上場によって、われわれ投資家はこれまで知りえなかった事情をたくさん知ることができるようになる。