1億円分の切手を集めてきた関東地方の公務員男性Aさん(54)。切手コレクターの世界では成功者の一人でもある。ただ、アノ世にお金を持っていくことはできない、というのは切手も同様。せっかくなら次世代のために、自分の集めた切手を、と使い道を考えていた。
自分だけ良ければそれでいいのだろうか?
最終的に切手をどうするのかを聞いた時に、このような答えが返ってきたのだ。確かに切手は換金性が高く、お金と同じようなものだ。1億円あれば何らかの形で、世の中に還元することは十分できるはずだ。
「今まで40年以上も、こうやって好きなことをさせていただいて楽しい思いをしてきました。何かできないかと思っている時に、昔の職場の上司と話す機会があって、退職後に美術館の館長をしていたのですが、『何か一点でも豪華な作品があると違うんだろうけどね』と、お話されていました」
Aさんも、それがきっかけとなり、郷土の芸術文化振興のために使ってもいいのでは、と真剣に考えるようになっていたそうだ。
ただ、同時に美術作品だけに名作を購入するにあたっては、1億円では足りない。もちろん、資金は潤沢にあればあるほどいい。何か良い方法はないのだろうかと考えた末に、一つの結論に行き当たった。