電力会社や関連団体の1年間の広告宣伝費は総額で約800億円だと言われる。では、どうした媒体に多く出稿されているのか、別冊宝島「日本を脅かす! 原発の深い闇」の独自集計によると、雑誌では1位は意外なことに「ソトコト」で、新聞は予想どおり1位は読売新聞だった。
オピニオン雑誌など27誌が調査対象で、期間は10年3月11日付~11年3月11日付、電力会社と原発推進団体の全面広告を数えている。
月刊誌「ソトコト」はロハスなライフスタイルを提案する雑誌で、一件すると電力会社とはイメージとして似つかわしくないように思える。しかし、社団法人「ロハスクラブ」なる出稿元が存在し、この中の会員に東京電力が入っているのだ。
過去には「尾瀬と東京電力」というようなタイアップなどを掲載している。ページ数にして計75とダントツ(下図参照)だ。
また、2位「WiLL」ほか、「文藝春秋」「WEDGE」「中央公論」「Voice」など高所得層や、知識層が読むオピニオン誌に数多く出稿していることがわかる。影響力ある層に訴えかけたいとの思惑が見えてくる。
その一方で、調査対象の「週刊SPA!」「週刊プレイボーイ」「女性セブン」「女性自身」「週刊女性」「FRIDAY」は出稿ゼロ。娯楽系の雑誌には出していないという傾向がハッキリと現れている。
◆雑誌の電力系広告出稿ランキング(雑誌名、合計ページ数、うち原発)
1 ソトコト 75(0)
2 WiLL 50(14)
3 潮 31(24)
4 週刊新潮 29(12)
5 婦人公論 28(20)
6 プレジデント 23(9)
7 中央公論 22(10)
8 WEDGE 21(11)
9 文藝春秋 20(12)
10 Voice 17(14)
10 テーミス 17(4)