喧騒に囲まれ、なかなか自分をじっくり振り返る時間もない毎日。ちょっと自分を見つめ直すような旅がしたいときもありますね。そんな目的で、酷暑の東京から逃れて、新幹線でわずか1時間ほど、「星のや 軽井沢」に投宿しました。
星のや軽井沢入り口
入り口には、星のやの紋が入った黒塀があって、中を見通せないようになっています。ここは、ちょっと日常と非日常を切り替える結界のようにも思えます。星のやの中に入ると、棚田が広がり、橋のかかる川にそって客室が点在する様子はまさに“谷の集落”。ひととき別世界で暮らすような気分で滞在できます。緑に囲まれ、オゾンが満ちて、深呼吸するだけで生気が満ちていく気分。
星のや軽井沢内 棚田の風景
独立性の高い客室
大正4年に開湯し、歴史のある「星野温泉」は今、星のやに隣接する大きな露天風呂のある「トンボの湯」と敷地内の「メディテイションバス」(こちらは星のや滞在者のみ)で楽しめます。とくに「メディテイションバス」は優しい光に満ちた部屋にある浴槽と、闇の部屋にある浴槽が湯水の水路でつながり、瞑想入浴ができる場所。ほのかな光が闇のなかに揺らぐ、少しぬるめの湯に浸かっていると、子宮の中で羊水に浮かんでいる時って、こんな感じだったのかもしれないと思えてくるような神秘的な湯です。
ダイニング日本料理“嘉助”
また、星のやスパは、身体の調子などコンサルティングしながら、和漢の精油を選び、呼吸法も取り入れたトリートメントを施してくれます。入浴とスパを済ました頃には、すっかり生き返った気持ちになりました。
星のやでは、この温泉と食事、そして新鮮な空気を心と身体に取りこんで蘇生してもらうということを目指しているそう。2泊3日からの、スパや食事を組み込んだプログラムもあります。男を磨く男の為のスパ「美我逗留」というのもあって、出来る男性のための身だしなみ、肌・頭髪・においを改善するための滞在プログラム。食事や呼吸法指導、指圧、瞑想、サウナプログラムなど様々なアプローチで、一歩洗練されるための提案を男性諸氏にしてくれるそう。
客室から池を見る
ただ、滞在だけでも朝な夕なに日本文化を楽しめる自由参加のプログラムがあったり、夕涼み用の屋台が出たり。それも四季折々に星のやの文化創造として趣向を変えていくのだとか。都会から抜け出し、谷の集落に身を置いて自分をリセットし、明日からちょっと前進できそうな「星のや 軽井沢」の滞在でした。
(星のや 軽井沢:www.hoshinoya.com)